外国人が日本で賃貸住宅を借りるには:審査・書類・初期費用
写真: Douglas P. Perkins / Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)
日本に住む外国人にとって、賃貸住宅を借りることは、家賃や収入の数字から想像する以上に難しい場合があります。入居の申込みは、不動産会社、管理会社、貸主、家賃保証会社がそれぞれ審査することがあります。審査に通らなかったとしても、その物件の家賃を払えないと判断されたとは限りません。意思疎通への不安、在留期間の長さ、提出できる書類、あるいは単に貸主の方針が理由になっていることもあります。
最初から外国人の入居を歓迎している物件を選び、貸主に求められる前に書類をそろえておけば、ずっと進めやすくなります。このガイドでは、物件検索で使う言葉、一般的に必要な書類、入居時に実際にかかる費用、そして審査を通りやすくするためのポイントをまとめました。
「外国人可」の物件とは
日本の物件広告では、外国人の申込みを受け付ける可能性がある物件に、次のような表記が使われます。
- 外国人可・外国籍可:外国人、外国籍の方の入居を受け付けている物件です。
- 外国人入居可:外国人が入居できる物件です。
- 外国人相談・外国籍相談可:外国人からの問い合わせや申込みの相談に応じる物件です。
- 英語対応:英語でのやり取りに対応しています。
相談可は、貸主が申込みを検討する意思があるという意味で、入居を約束するものではありません。内見に時間を使ったり、費用のかかる申込み書類を提出したりする前に、不動産会社に貸主の方針を確認してもらいましょう。
審査が難しくなりやすい理由
日本の賃貸審査は、全員に共通する一つの点数で判断するのではなく、申込み全体を見て判断するのが一般的です。審査する側は、家賃を無理なく払い続けられるか、申込者が契約内容を理解できるか、誰が住むのか、緊急時に誰に連絡できるのか、といった点を知りたいと考えることがあります。
よくある原因としては、在留期間の残りが短い、就職して間もない、海外での収入が確認しにくい、日本国内に緊急連絡先がいない、日本語での意思疎通が限られている、保証会社が申込者の状況に対応していない、などが挙げられます。貸主や保証会社によって基準は大きく異なるため、一度断られたからといって、次の物件でも同じ結果になるとは限りません。
物件探しの前に申込みの準備を
書類がそろっていれば、何日もかかるやり取りを省けることがあります。物件によっては、次のようなものを求められる場合があります。
- 在留カードとパスポート
- 勤務先、学校、または事業に関する情報
- 直近の給与明細、課税証明書などの収入を証明する書類
- 日本の銀行口座、または家賃の支払い方法
- 緊急連絡先
- 入居する全員の氏名と続柄
- 希望する入居日と、住む予定の期間
- ペット、喫煙、在宅勤務についての正確な情報
貸主に直接申し込む場合は、簡単な自己紹介を添えると役立つことがあります。仕事の内容、その地域に住む予定の期間、同居する人、その物件を希望する理由を書きましょう。内容は事実に絞ります。貸主とのやり取りが日本語の場合は、日本語と英語の両方で用意しておくと便利です。
審査に通りやすくするには
- 外国人の入居を明記している物件から探す。そもそも方針として受け付けていない物件に申し込むことを避けられます。
- 早く、漏れなく対応する。書類が欠けていると、問題のない申込みでも不確かに見えてしまうことがあります。
- 一般的でない収入は分かりやすく説明する。フリーランスや自営業の方、海外から給与を受け取っている方は、分かりやすい証明書類を用意しておきましょう。
- 状況に合った保証会社を利用する。国土交通省は、外国人向けの言語対応を行っている登録家賃債務保証業者の一覧を公表しています。
- ほかの物件に申し込む前に、断られた理由を尋ねる。貸主の方針なのか、保証会社なのか、申込み内容に足りない点があったのかを、不動産会社が教えてくれる場合があります。
- 貸主と直接やり取りできる物件も検討する。直接話せると事情を説明しやすくなります。ただし、その場合でも本人確認、収入、緊急連絡先の確認を求められることがあります。
どこで探すか
外国語に対応した不動産会社はまず候補になりますが、選択肢はそれだけではありません。地元の不動産会社が、ポータルサイトの広告には書かれていなくても外国人の申込みを検討してくれる貸主を知っていることもあります。上で紹介した言葉で検索し、内見の予約をする前に、希望条件を不動産会社に伝えておきましょう。
国の住宅セーフティネット制度には、外国人を含め、住まいの確保に困難を抱えやすい人向けの登録賃貸住宅があります。地域の居住支援法人などの団体が、貸主とのやり取りや、利用できる支援の内容について手助けしてくれる場合もあります。
条件を満たしていれば、UR賃貸住宅も検討する価値があります。URは、通常の賃貸住宅について礼金、仲介手数料、更新料が不要で、保証人も必要ないとしています。ただし収入や在留資格の条件はあるため、申し込む物件ごとに最新の申込資格を確認してください。
入居にかかる費用を把握する
毎月の家賃は、予算の一部にすぎません。すべての費用が項目ごとに分かる見積もりを書面でもらいましょう。
- 敷金:退去時に、正当な差し引き分を除いて返還される預け金です。
- 礼金:貸主に支払う、返還されないお金です。
- 仲介手数料:不動産会社に支払う手数料です。
- 保証会社利用料:保証会社に支払う料金で、更新料が含まれる場合があります。
- 共益費・管理費:共用部分の維持や管理のために毎月支払う費用です。
- このほか、火災保険料、鍵交換費用、清掃費、初回の家賃などがかかります。
「礼金なし」と書かれていても、入居時の費用全体が安いとは限りません。初期費用の合計と、毎年かかる費用を比べて判断しましょう。
契約の前に
残りの費用を支払う前に、重要事項説明と賃貸借契約書をよく読みましょう。普通借家契約か定期借家契約か、更新の方法、解約の予告期間、途中で退去した場合の扱い、退去時にかかる費用を確認してください。分からない条項があれば、説明を求めましょう。
入居日には、壁、床、設備、家電の写真を撮っておきましょう。入退去時の物件状況確認書に記入し、日付入りの写真と一緒に控えを保管してください。国土交通省は、多言語の部屋探しの資料や入退去時の物件状況確認のチェックリストのほか、賃貸住宅標準契約書も公表しています。
参考になる公的情報
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このガイドは一般的な情報を提供するものであり、法的な助言ではありません。必要な条件や審査の方針は、物件、貸主、保証会社によって異なります。契約や支払いの前に、最新の条件を必ずご確認ください。